はじめに:卸売業者も注目する「メルカリShops」
個人ユーザーのフリマアプリとして有名な「メルカリ」。その延長線として登場したのが、法人や事業者向けの販売機能「メルカリShops」です。これまでフリマ感覚で利用されてきたメルカリが、業者にとっても販路拡大の場となりつつあります。特に日用雑貨のように回転率が高い商材は、メルカリShopsで相性が良いと言われています。本記事では、その活用術やメリット・デメリットを解説します。
メルカリShopsの特徴
- 誰でも簡単に出店可能:法人・個人事業主はもちろん、サイドビジネス的に取り組む人でも始めやすい。
- ユーザー数の多さ:メルカリの月間利用者数は2000万人以上。潜在的な顧客層が非常に大きい。
- 決済の手軽さ:メルカリの既存ユーザーはアプリ内で簡単に購入できるため、購買のハードルが低い。
- 低コスト運営:初期費用が不要で、販売手数料(10%)のみ。
メルカリShopsのメリット
- 在庫処分に最適
日用雑貨は在庫が積み上がりやすい商材ですが、メルカリの購買層は掘り出し物やお得感を求める傾向が強いため、処分在庫でも売れやすい。 - 小ロット販売が可能
卸売業者にとって通常は大口取引が中心ですが、メルカリShopsでは1点から販売できるため、個人ユーザーにもリーチできる。 - 集客不要
メルカリという巨大プラットフォームの中で販売できるため、広告費をかけずに集客できる。 - スマホ完結の運営
出品・受注管理・発送指示がアプリで完結。少人数運営の業者にとっても扱いやすい。
メルカリShopsのデメリット
- 価格競争が激しい
値下げ文化が根強いため、他の販路に比べて利益率は下がりやすい。 - ブランディングには不向き
フリマ的な雰囲気が強く、「高級感」「専門性」を打ち出すには不向き。 - 手数料が一定
手数料10%は、薄利多売の商品だと負担に感じるケースもある。
日用雑貨販売における活用術
- まとめ売りで客単価を上げる:単品よりも「3個セット」「5個セット」で販売すると利益率が改善。
- シーズン性を意識する:掃除グッズや収納アイテムなど、季節やイベントに合わせて訴求する。
- 写真と説明文を工夫:フリマアプリ利用者はビジュアルに敏感。写真は明るく清潔感を重視し、説明文では使用シーンを具体的に伝える。
- 在庫処分品を「お得感」で売る:「訳あり」「アウトレット」といった表現で価格以上の価値を感じさせる。
他販路との組み合わせ活用
メルカリShopsは万能ではありませんが、他の販路と組み合わせることで強みを発揮します。
- Amazonや楽天で主力販売、メルカリShopsで在庫処分
- BtoB取引は卸専用サイト、BtoCはメルカリShops
- 新商品のテスト販売に活用:市場の反応を見てから本格展開できる
成功事例
ある日用雑貨卸業者は、Amazonで主力商品を販売しつつ、メルカリShopsでは季節商品や在庫処分品を出品。結果、滞留在庫を抱えるリスクが減り、キャッシュフロー改善に成功しました。また、消費者からの直接の声が得られたことで、商品の改善や新企画にも役立ったとのことです。
まとめ:メルカリShopsは「第二の販路」として有効
メルカリShopsは、在庫処分や小ロット販売に適した販路であり、特に日用雑貨との相性が抜群です。ただし、価格競争やブランディングの難しさがあるため、メイン販路ではなく「サブ販路」として活用するのが賢明です。
卸売業者にとって、メルカリShopsは低コストで試せる新しいチャレンジの場。気軽に始められるからこそ、まずは小さくテストし、販路の幅を広げる手段として取り入れてみてはいかがでしょうか。